電車の中で感じた言葉の重み

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言葉の刃が、人をどれだけ傷つけるか知っていますか?

ある日、彼と一緒に電車に乗って出かけていたときのことです。
休日の昼下がり、市内へ向かう人で車内は混み合っていました。
私は扉の近く、彼の隣でなんとか立っていました。
外は暑く、電車の中も人の熱気でむわっとしていて、
乗った瞬間から汗がじんわりと滲んでいました。

「今日のデート、楽しみだな〜」
そう思いながら窓の外を眺めていたそのとき、
近くにいた女子たちの笑い声が耳に届きました。

「匂いが強い人って無理だよね」

その一言で、私の時間だけが止まったように感じました。
電車の揺れも、彼の隣にいる安心感も、
全部が遠くへ消えてしまったような気がしたのです。

もちろん、自分に向けられた言葉じゃないとわかっていました。
でも、長年ずっと匂いの悩みを抱えてきた私にとって、
その言葉はまるで胸に突き刺さるようでした。

突然、心臓がドクンと音を立て、
顔が熱くなり、息が苦しくなっていきました。

隣では、笑顔でスマホを見ている彼。
「さっきの話、聞こえてないよね…」
そんな小さな安堵と同時に、心の奥に不安が広がっていきました。

「もし彼も、私の匂いに気づいていたらどうしよう」
「いつか嫌われたらどうしよう」
そんな思いが頭の中をぐるぐる回って、
次の駅までの数分が永遠に感じられました。

でもその一方で、胸の奥では別の感情が芽生えていました。
それは、悲しみでもあり、怒りでもありました。

「私は好きでこうなったわけじゃない」
「体質のせいで、どうしてここまで否定されなきゃいけないの?」
「毎日ケアしているのに、たった一言で全部壊されるなんて…」

電車の音にかき消されながら、
胸の中で何度もその思いがこだましました。

あの出来事が教えてくれたこと

あの日のことを思い出すたびに、
胸がチクッと痛む瞬間はあります。
けれど、今の私はこう思います。
「この体験があったからこそ、私はより自分を大切にできるようになった」と。

あの言葉を聞いたとき、私はただ傷ついただけではなく、
「もう二度と同じように苦しみたくない」という気持ちが生まれました。
それは“自分のためにもっとケアしてあげたい”という想いにつながったのです。

たとえば、

  • 自分に合う石けんを探してみる
  • 制汗スプレーやシートを常に持ち歩く
  • 汗をかきやすい日は着替えを用意する

そんな小さな工夫を少しずつ積み重ねていくうちに、
街で否定的な言葉を耳にすることがあっても、
「大丈夫、聞き流そう」と、あまり気にならなくなっていったのです。

完璧じゃなくてもいい。
人にどう思われるかを気にして怯えるよりも、
“自分が心地よくいられる”ことを一番に考えよう。
そう思えるようになってから、気持ちがすごく楽になりました。

同じように悩んでいるあなたへ

あの電車の中で、私を深く傷つけた言葉、そのとき感じた痛みは、
きっとこの先も忘れることはないでしょう。

もし今、あなたが誰にも言えない“匂いの悩み”を抱えていて、
心ない言葉を浴びせられたことがあるなら、
私はそっと伝えたいです。

「あなたは、何も悪くないよ。」
「誰かの心ない言葉で、自分の価値を決めないで。」

人は、誰かの言葉で深く傷つくことがあります。
でも同じように、“自分の言葉”で自分を癒すこともできるんです。

「今日もちゃんと頑張ってるね」
「大丈夫、少しずつでいいよ」

そう自分に声をかけてあげるだけで、
心の奥に小さな光がともります。

あなたの努力は、誰かに笑われるものじゃありません。
それは、自分を大切にしている“つよさの証”だから。

どうか、あなたも自分を責めずにいてください。
ゆっくりでいいから、自分をいたわってあげてください。

心ない言葉に傷ついた日があっても、あなたは変わらず素敵なままです。
その痛みを知っているからこそ、人に優しくなれると、私はそう信じています。
そしてきっと、あなたのその優しさが、誰かの心を救う日がきます。

Be kind to yourself. You deserve peace.
(自分に優しくしてあげてね。あなたには、穏やかな心でいる価値があるよ。)

たくさん読んでいただき、ありがとうございました

わきキュートのにおいケアラボの運営者

自分のワキガ体質に悩みつつも、「どうせなら楽しく生きたい!」と思って工夫を取り入れています。
リアルな体験をもとに、においケアや日常で役立つことをお話ししています🎀

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