ずっと悩んでいた汗と匂いに向き合った私のはなし

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匂いで傷ついた過去と、決意のきっかけ

匂いのことでからかわれたのは、一度や二度じゃなかった。
ひとりだけじゃなく、何人もの人に言われた。
笑いながら「また匂ってるよ」と言われたとき、
心の中では泣いていた。

どうしてそんなことを言われなきゃいけないのか。
どうして自分だけがこんなに苦しいのか。
悔しさや恥ずかしさ、もどかしさ、悲しみ――
いろんな感情がごちゃまぜになって、ただ消えてしまいたかった。

でも――その痛みがあったからこそ、
私は「このままじゃ終われない」と思った。
「もう誰にも同じことで苦しめられたくない」
そう思って、手術を決意した。

もちろん、悩みばかりの人生だったわけじゃない。
友達と笑い合ったり、楽しい時間もたくさんあった。
でも、心のどこかではいつも「匂い」と「汗」に囚われていて、
たくさん、たくさん制限があった。

人と距離を取ったり、服を選ぶときに迷ったり、
何をするにも“気にすること”が先にきてしまっていた。
本当は、好きなことにもっと夢中になりたかった。
思いきり笑って、自由に動いて、
ただそれだけのことが難しく感じる日々だった。

だからこそ、強く思いました。
このままでは変わらない。
もっと自分のしたいことを、思う存分できる人生にしたい――と。
その一歩として、私は手術を受けることを決意しました。

選んだ手術方法と費用

私が選んだのは 吸引シェービング法 という方法です。
担当してくださったのは研修医の先生で、その分費用は少し抑えられ、約15万円ほどでした。
(※他の方法と比べても、体への負担が少ないと説明を受けました。)

親は「傷が残るのでは?」と心配していましたが、
私は「それでも一歩前に進みたい」と思い、この方法を選びました。
いま振り返っても、この決断は私にとって大きな一歩だったと思います。

手術当日の流れと感想

当日は朝から少し緊張していました。
私は横になったまま、片方ずつ腕を上げて手術を受けました。
麻酔がしっかり効いていたので、痛みはまったくありませんでした。

途中で恐る恐る目を少し開けてみると、
先生が丁寧に作業をしていて、耳元では掃除機みたいな機械の音がしていました。
その音を聞きながら、私は心の中でそっと願っていました。
――どうか、しっかり取ってください。
もう、匂いで悩まない日々を過ごせますように。

怖さよりも圧倒的に、
“匂いから解放されるかもしれない”という期待感や安堵感のほうがずっと大きかったです。

手術は無事成功。
先生や看護師さんが優しく声をかけてくれたおかげで、
落ち着いた気持ちで最後まで受けることができました。

手術が終わったあとも大きな痛みはなく、少し重だるい程度。
しかも日帰りで帰宅できたので、
「本当に今日、手術を受けたのかな?」と思うほど体の負担が少なかったです。
思っていたよりも、心の中は穏やかで、やり遂げた気持ちでいっぱいでした。
そして、そんな自分を少し誇らしく思いました。

手術後の様子とダウンタイム

手術が終わったあとは、両脇を固定するために包帯をぐるぐる巻きにされました。
鏡を見て思わず「すごいな…」と笑ってしまったくらい、しっかり巻かれていました。

最初の数日は、腕を動かすのが少し大変でしたが、
痛みはほとんどなく、思っていたよりも体が楽でした。
包帯を巻いたまま過ごすのは少し不便だったけれど、
「これで終わったんだ」という安心感のほうが大きかったです。

数日後には包帯も外れて、少しずついつもの生活に戻っていきました。
傷跡はとても小さく、ほとんど気にならない程度でした。

手術を終えて気づいたこと

手術をしてからは、汗の量も匂いも明らかに減りました。
でも、最初は期待していた分、匂いが完全にはなくならないことにつよいショックを受けました。
「手術をしたのに、どうしてまだ残ってるんだろう…」
そんなふうに思って、落ち込む日もありました。

服に残った汗や匂いは、専用のケアが必要になるので、
「もう少し軽くなったらいいのにな」と、今でも思うことはあります。
でも、それでも以前よりずっとに楽なったのも事実です。

最初のころは歯がゆい気持ちもありましたが、
少しずつ現実を受け入れていくうちに、
「完全になくすこと」よりも「上手に付き合っていくこと」が大切なんだと気づきました。
ケアを続けたり、自分をいたわることで、
少しずつ前に進めるようになったんです。

手術をして感じたこと

手術をしてみて実感したのは、「完璧を求めすぎなくていい」ということです。
体質だからこそ、完全にゼロにするのは難しい。
でも、以前のように落ち込んでいた自分と比べたら、今の私はずっと前を向いています。

「保険適用の手術の方が効果が高い」と聞くこともありますが、
私にはこの方法が合っていたし、心にも体にも優しい選択だったと感じています。
何より、「勇気を出して決断した」という経験が、自信となりました。

まとめ|今の私が思うこと

  • 21歳で吸引シェービング法の手術を経験(費用:約15万円)
  • 手術中の痛みはほとんどなく、日帰りで受けられた
  • ダウンタイムも短く、数日で日常生活に戻れた
  • 匂いと汗の量が減り、気持ちが前向きになった
  • 「完全に治す」ことより「努力をしている自分を大切にする」ことがベストだと気づいた

あのとき手術を決意した自分を、今でも誇りに思っています。
悩みは、これからもなくなるものではないけれど、少しずつ前を向いて生きていくことはできる。
そう気づかせてくれた経験でした。

支えてくれている周りの方々、いつも本当にありがとうございます。
どんな時も、感謝の気持ちを忘れず、自分らしく生きていきたいと思います。

“Healing takes time, but every small step is worth it.”
(癒えるには時間がかかるけれど、その一歩一歩には意味がある。)

※この内容は私自身の体験をもとに書いたものです。
手術や治療を検討される方は、必ず専門の医師にご相談ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました

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わきキュートのにおいケアラボの運営者

自分のワキガ体質に悩みつつも、「どうせなら楽しく生きたい!」と思って工夫を取り入れています。
リアルな体験をもとに、においケアや日常で役立つことをお話ししています🎀

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