中学で突然突きつけられた現実
私はもともと活発な女の子でした。
運動が得意で体育の授業も大好き。走ることも大好きで、陸上部に入るのを楽しみにしていました。
でも――中学に上がったとき、異性の子から大声で
「ワキガ!ワキガ!臭い臭い臭い!」
と笑われたことがきっかけで、初めて自分が「ワキガ」だと知りました。
その瞬間から、私の生活は地獄に変わっていきました。
体育も部活も奪われた日々
体育の時間には鼻を摘まれてからかわれたり、廊下ですれ違うたびにニヤニヤされたり。
好きだった体育も、怖くてやむを得ず欠席する日が増え、成績は5から3に落ちました。
入部した陸上部も、汗をかくことが怖くなり、結局は幽霊部員に…。
本当は走りたかったのに、それすらできなくなってしまったんです。
味方はいたけれど
唯一の救いは、女の子の友達には恵まれていたこと。
味方でいてくれたから、かろうじて学校に通えていました。
でも授業中は匂いが広がらないように脇をぎゅっと締め続け、肩こりはひどくなる一方。
集中なんてできず、勉強も身につかなくなっていました。
母に打ち明けたけれど…
限界を感じた私は、ある日母に「私、ワキガで悩んでるんだ」と打ち明けました。
すると母は、悪気なくこう言いました。
「私のコンプレックスと交換したいくらい、ワキガなんて大したことないよ。」
母なりに励ますつもりだったのは分かっていました。
でも私が欲しかったのは、そういう言葉じゃなかったんです。
「辛いね。学校休んでもいいよ。」
「一緒に対策を考えよう?」
そんな安心できる言葉や行動を待っていました。
必死のケアと孤独感
学校から帰ると制服は必ず黄ばんでいて、普通に洗っても落ちません。
本に書いてあった方法を真似して鍋で煮たり、手洗いしてみたり…
でも効果はなく、ブレザーは色褪せて見すぼらしい姿に変わるだけ。
ワキガは恥ずかしいことなんだと思っていたので、家族以外に相談できる人はいませんでした。結局いつも一人で抱え込んでしまって、「もう消えてしまいたい」と思う日もありました。
「明日になったら匂いが消えてないかな…」なんて、叶うはずのない願いをしながら眠りについた夜も数えきれないくらいあります。
まとめ
あの頃は本当に、毎日が試練の連続でした。
においが気になって人と会うのが怖かったり、どれだけ工夫しても上手くいかずに落ち込む日もたくさんありました。
でも今振り返ると、その経験があったからこそ「自分に合うケア方法を探す大切さ」に気づけたと思います。
少しずつでも工夫を続けていくうちに、前よりも安心して過ごせる時間が増えてきました。
そして今では、同じように悩んでいる人の気持ちが少し分かるようになりました。
「私も一緒だよ」「一人じゃないよ」――そう伝えたい気持ちで、この体験を書いています。